【プロが徹底解説】デッドリフトのやり方と正しいフォーム。効果を最大限に出す方法とは

【プロが徹底解説】デッドリフトのやり方と正しいフォーム。効果を最大限に出す方法とは

この記事では、現役トレーナーの大久保孝一が「デッドリフト」を解説します。筋トレビッグスリーの1つで多くの筋肉を鍛えることのできるデッドリフトですが、フォームを間違うと怪我につながる可能性も。正しいフォームを理解してしっかり効かせましょう。

この記事を書いた人

大久保 孝一
大久保 孝一

筋トレアカデミー代表。現在は主に、関節に負担をかけずに筋肉を鍛える独自のトレーニング法を用いて、高齢者の筋力アップ、筋肥大、リハビリ、ダイエットのお手伝いをさせて頂いております。

instagram:https://www.instagram.com/kintoreacademy/?hl=ja

本日のメニュー

多くの筋肉を同時に鍛えることができ、高重量を扱いやすい種目「デッドリフト」。
そのため、上級者を中心に愛用者が多く「最強筋トレ」との呼び声も高いのです。
しかしその反面、フォームが複雑であるため、テッドリフトの正しいやり方が分からないということで、初心者を中心に敬遠されがちな種目でもあるのです。

もちろん、デッドリフトなしでも筋肉を発達させることはできます。
しかし、もっと筋肉を大きくしたい、もっと筋力を強くしたいと願うなら、デッドリフトを取り入れた方が、間違いなく効果は高まります。
デッドリフトに取り組むことで、より高度な筋肉の発達が可能となるのです。

そこで今回は、デッドリフトのやり方が分からない、デッドリフトが苦手だという人のために、テッドリフトの正しいフォームや効果的な取り組み方、使用重量を上げるテクニックなどを、初心者にも分かりやすく解説していきます。
是非当記事を参考にして、デッドリフトの素晴らしい効果を体感してください。
 

デッドリフトのメインターゲットは「抗重量筋」!

デッドリフトで鍛えられる主な筋肉は、背面を縦に走っている「背中・腰・お尻・太ももの裏側」の筋肉であり、これらの筋肉をまとめて「抗重量筋」と呼びます。
抗重量筋とは、地球の重力に対抗して立位や座位などの姿勢を保持するための筋肉であり、人間は生まれると、まずこの抗重量筋が発達し、立てるようになるのです。
赤ちゃんが立つことができないのは、抗重量筋がまだ発達していないためであり、成長に伴い抗重量筋が発達することで、立ち続けることができるようになるのです。
逆に、抗重量筋が衰えてしまうと正しい姿勢を保持することが難しくなるため、高齢者などの姿勢保持にとって非常に重要な筋肉になってきます。
つまり、抗重量筋とは、姿勢を保持する際に体を支える軸となる重要な筋肉なのです。
 

抗重量筋①「僧帽筋」

僧帽筋とは、首の付け根から背中の中部にかけて逆三角形状に広がっている筋肉です。
僧帽筋は主に、肩甲骨を上げる・肩甲骨を寄せる・肩甲骨を下げる働きをしています。
また、僧帽筋上部は、肩凝りの原因となる部分としても良く知られています。

抗重量筋②「広背筋」

広背筋とは、背中の表面を、中部から下部にかけて広く覆っている筋肉です。
広背筋は主に、上腕を引くプル系の働きをする筋肉であり、前方から横向きに引いたり、上方から下向きに引いたりなど、動作方向は多様です。

抗重量筋③「脊柱起立筋」

脊柱起立筋とは、頚椎から骨盤にかけて、背骨に沿って走っている非常に細長い筋肉であり、背骨まわりにある大小様々な筋肉の総称です。
脊柱起立筋は主に、上体を反らす体幹伸展の働きをし、また、姿勢を保持する際に、背面から体幹を支える非常に重要な働きをしています。

抗重量筋④「大臀筋」

大臀筋とは、お尻を覆っている大きな筋肉であり、強い力を発揮できる筋肉です。
大臀筋は主に、太ももを後方に振る股関節伸展の働きをし、走動作において、太ももを後方に振る際に、重要な働きをしています。
また、太ももを外側に振って脚を横に広げたり、太ももを外側に捻ってつま先を横に広げるなどの働きもあり、動作方向は多様です。
 

抗重量筋⑤「ハムストリングス(大腿二頭筋)」

ハムストリングス(大腿二頭筋)とは、太ももの裏側にある筋肉の総称であり、主に、膝を曲げる膝屈曲の働きをしている筋肉です。
また、長頭と短頭の2種類の筋肉で形成されているのですが、このうち長頭は、股関節をまたぐ二関節筋(2つの関節をまたぐ複雑な位置構造の筋肉)であり、大臀筋と共に、太ももを後方に振る股関節伸展の働きをしています。
 

デッドリフトで得られる「7つの効果・メリット」!

それでは、デッドリフトを行うことによって、どのような効果・メリットが得られるのか、注目すべき「7つの効果・メリット」について紹介します。
 

全身の筋肉を効率よく増やせる

デッドリフトでは、背面全体の抗重量筋が鍛えられるだけでなく、大腿四頭筋(太もも前面部の筋肉)や腹筋、前腕筋など、全身の様々な筋肉が同時に鍛えられるのです。
ですから、全身の筋肉を効率よく増やすのに最も効果的な種目なのです。
筋肉を効率よく増やせる種目として、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトを「BIG3」と呼んでいますが、それぞれのフォームを比較した場合、デッドリフトが最も広範囲に渡って全身の筋肉を鍛えることができる種目なのです。
 

筋力が大幅に向上する

デッドリフトを正しいフォームで行うと、抗重量筋を中心に全身の筋肉が連動して働くため、大きな筋力を発揮することが可能となります。
そのため、高重量を使って鍛えることができ、筋力の向上に効果的なのです。
初心者であっても、短期間で自分の体重以上のバーベルを引けるようになります。
パワーリフターの中には400kg以上を引く選手もいますが、フリーウエイトでそれ程重い重量を扱える種目は、数ある種目の中でデッドリフトだけなのです。
 

競技パフォーマンスが向上する

昨年、大リーガーの大谷翔平選手が225kgでデッドリフトを行っている姿が公開され話題となりましたが、陸上競技や球技、格闘技など、様々な競技のアスリートたちが、デッドリフトをトレーニングに取り入れています。
目的は、競技におけるパフォーマンスを向上させるためです。
デッドリフトによって抗重量筋が鍛えられると、動作中の姿勢を保持しやすくなるため、競技中のパフォーマンス向上に繋がるのです。
 

握力が強くなる

デッドリフトで高重量のバーベルを引くことによって、前腕筋も鍛えられます。
前腕筋は、手首を曲げたり物を握り続けるときに働くのですが、デッドリフトによって前腕筋が鍛えられると、必然的に握力も強くなるのです。
ハンドグリップやリストカールなど、前腕筋を単独で鍛える種目もありますが、デッドリフトの方が、前腕筋に大きな負荷をかけられるという点で効果が高いのです。
 

ヒップアップする

デッドリフトでは、大臀筋を効果的に鍛えることができるため、垂れたお尻をキュッと引き締め、きれいなヒップラインを作り出すことができます。
お尻が引き締まると、体のラインを美しく見せることができるので、美尻になりたい女性はもちろん、スーツをカッコ良く着こなしたい男性にもメリット大です。
 

基礎代謝が上がる

デッドリフトでは、背中・お尻・太ももの筋肉がメインで鍛えられるのですが、これらの筋肉は、特に大きい筋肉であるため、基礎代謝が上がりやすくなるのです。
基礎代謝は、筋量が増えれば増えるほど上がっていきますので、大きな筋肉を同時に鍛えられるデッドリフトは、それだけ基礎代謝を上げるのに有利な種目になるのです。
そして、基礎代謝が上がることで1日の消費カロリーを効率良く増やすことができ、「痩せやすく太りにくい体」になれるのです。
 

他の筋トレのレベルも上がる

デッドリフトによって全身の筋力が向上し、動作中の姿勢を保持しやすくなることで、他の筋トレ種目を行う際のフォームも安定し、より高重量を扱えるようになります。
特に、ベンチプレスやスクワットの重量が伸ばしやすくなり、また、握力が強化されることで、ベントオーバーロウイングなどのプル系種目の重量も伸ばせるのです。
ですから、初期の段階からデッドリフトに取り組むことは、その後の筋肉の発達に向けて、大きなプラス効果をもたらしてくれるのです。
 

デッドリフトは「背中のアーチ」と「バーの軌道」が重要!

それでは、デッドリフトの正しいフォームについて詳しく解説していきます。
デッドリフトには様々なバリエーションがありますが、ここで紹介するのは、最も基本となるフォームであり、且つ最も重要なフォームになります。
ですから初心者の方は、まずはこの基本フォームをしっかりマスターしてください。
 

基本フォームの概要

最初に、下の動画にて、デッドリフトの一連の動作を確認していただき、その上で、パート別に分けた詳しい解説を読んで、動作のポイントを掴んでください。


 

スタート姿勢の作り方(上体の前傾方法)

①肩幅より狭めに足を開き、つま先を正面に向けてバーベルの前に立ちます。
②このとき、胸を張り、背中にアーチが作られた状態で立ちます。
③そのまま上体が床と水平になるところまで前傾します。
④前傾したときに、背中のアーチが緩まないようにします。
⑤前傾したら、背中のアーチを維持したまま適度に膝を曲げます。
上記①~⑤により、背中のアーチを維持したまま上体が深く前傾した姿勢が作られるのですが、この姿勢を「ベントオーバーの姿勢」と呼びます。
背中の筋肉を発達させたい場合には、この「ベントオーバーの姿勢」をしっかりと作れるかどうかが、重要なカギとなります。
背中やハムストリングスが硬い人は、前傾した時に肩が上がり、上体が起きやすくなりますが、その場合には、無理して水平にしようとしなくて良いので、肩の方がやや上がっている程度に前傾してください。
 

スタート姿勢の作り方(バーの握り方)

①上体を前傾させたら、肩幅程度の広さでバーを握ります。
②握り方は、オーバーハンド(順手)で握るのが基本となります。
③握る際は、まず、親指の付け根の深い位置にバーを当てるようにします。
④そして、小指側から巻き込むようにしっかりと握るようにします。
⑤バーを握った時、バーにすねが当たるまで膝を前に出すようにします。
⑥重心は踵におき、背中のアーチは維持したままにしておきます。
⑦目線は正面か、正面よりもやや上を見るようにします。
高重量を引き上げる際には、グリップの強さは非常に重要であり、バーをしっかりと握ることでクリップが安定し、より高重量を引きやすくなります。
バーを当てる位置が浅いと、握った際にスペースが出来てしまい、グリップが弱くなってしまうので注意してください。
 

バーの引き上げ方法

①可能な限り体に近い軌道を保ちながら、バーを引き上げていきます。
②すね⇒太もも⇒脚の付け根と、体に沿うように引くと上手くいきます。
③引き上げる時も、背中のアーチを崩さないようにします。
④そして、立ち上がりながら、胸を張って肩甲骨を寄せていくようにします。
⑤フィニッシュでは、肩と肘を体側後方へ引き、背中を収縮させるようにします。
⑥引き上げる際には、全力で一気に引き上げるようにします。
バーを引き上げる際のポイントは、背中のアーチを維持したまま、出来るだけ体に近い軌道で引き上げるということです。
特に、始動時の背中の筋肉の緊張(背中にアーチを作った状態)は重要であり、背中が丸まった状態で引いてしまうと、腰部への負担が極めて大きくなり危険です。
また、動作の途中で背中が丸まってしまうと、それ以上の引き上げが困難になってしまうので注意してください。
 

バーの下降方法

①フィニッシュの位置で胸をグッと張ったら、すぐに下降動作に入ります。
②バーを下ろす際には、ヒップを後ろへ突き出すようにして戻していきます。
③下降時にも、背中のアーチを意識しながら、体に近い軌道で下ろしていきます。
④下ろす際には、2~3秒かけてゆっくり目に下ろすようにします。
⑤床スレスレの状態まで下ろしたら、再び引き上げ動作に入るようにします。
⑥あるいは、一度床に下ろしてから、再び引き上げ動作に入るようにします。
動作スピードは「一気に引き上げてゆっくり目に下ろす」が基本となります。
背中の筋肉の緊張を維持出来るという点では、床スレスレまで下ろした状態で引き上げを再開した方が効果的ですが、高重量に挑むような場合には、1回ごとに床に下ろし、姿勢を整えてから反復するという方法も有効です。
使用重量や筋肉への効き具合によって、動作しやすい方で行ってください。
 

呼吸方法

一般的には、息を吐きながら引き上げ、息を吸いながら下ろすのが良いとされていますが、胸郭の拡張(胸を張る動作)に合わせて息を吸い込んだ方が、動作中の姿勢が安定し、より大きな筋力を発揮しやすくなります。
ですから、デッドリフトを行う際には、息を吸いながら引き上げ、息を吐きながら下ろす方が体に自然であり、より効果的なトレーニングが可能となるのです。
 

ダンベルで行う場合

自宅でダンベルを用いて行う場合ですが、基本的なやり方はバーベルの場合と同じであり、背中のアーチを維持したまま、出来るだけ体に近い軌道でダンベルを移動させることがポイントになります。
ただし、ダンベルの場合には、手首が固定されず自由に動かすことが出来ますので、バーベルのように体の正面を移動させるのではなく、体のやや側面をダンベルを転がすような感じで移動させると動作しやすくなります。
もし、軽いダンベルしかない場合には、4秒で引いて4秒で下ろすを目安として、背中・臀部・ハムストリングスのストレッチを感じながらゆっくり動かし、キツクなるまで反復回数を多くして行うと良いでしょう。
 

デッドリフトの効果を高める「おすすめの取り組み方」!

デッドリフトの正しいフォームが分かったところで、次に、デッドリフトの効果を高める「おすすめの取り組み方」について解説します。
目的を「筋量増加」と「筋力向上」に分けた上で、初心者でも実践可能な取り組み方を紹介しますので、是非参考にしてください。
また、女性がダイエット目的で行う場合の取り組み方も紹介します。
 

筋量増加を目的とする場合

筋量増加を目的とする場合には、最大筋力の70~60%の負荷(15~20回反復できる重量)を用いてウォームアップを行った後で、最大筋力の85~80%の負荷(8~10回が限界の重量)を用いて、2~3セット行うようにします。
・1セット目…最大筋力の60%×15回(ウォームアップ)
・2セット目…最大筋力の70%×10回(ウォームアップ)
・3セット目…最大筋力の85~80%×8~10回(限界数)
・4セット目…最大筋力の85~80%×8~10回(限界数)
・5セット目…最大筋力の85~80%×8~10回(限界数)
※セット間のインターバルは3~4分を目安とする。
※4・5セット目は重量を落としても良いので、8~10回をキープする。
※体力的にキツイ場合には、5セット目をカットする。
※上記メニューを、週1~2回行うようにする。
 

筋力向上を目的とする場合

筋力向上を目的とする場合には、最大筋力の60%の負荷(20回反復できる重量)からスタートし、セットごとに重くしながら、4~5セット目で最大筋力の95~90%の負荷(3~5回が限界の重量)に到達するようにします。
・1セット目…最大筋力の60%×15回(ウォームアップ)
・2セット目…最大筋力の70%×10回(ウォームアップ)
・3セット目…最大筋力の80%×6~8回(ウォームアップ)
・4セット目…最大筋力の95~90%×3~5回(限界数)
・5セット目…最大筋力の95~90%×3~5回(限界数)
※セット間のインターバルは3~4分を目安とする。
※5セット目は重量を落としても良いので、3~5回をキープする。
※上記メニューを、週1~2回行うようにする。
※体力的にキツイ場合には、5セット目をカットする。
筋力向上を目的とする場合、最大筋力の100~97.5%(1~2回が限界の重量)まで上げる方法もありますが、初心者の場合には、そこまで負荷を上げるのは危険を伴いますので、無理してやらない方が賢明です。
 

ダイエットを目的とする場合

女性がダイエットを目的として行う場合には、最大筋力の50%の負荷(30回反復できる重量)でウォームアップを行った後で、最大筋力の70~60%の負荷(15~20回反復できる重量)を用いて2~3セット行うようにします。
また、セット間のインターバルは2分以内とし、出来るだけ短くして行います。
こうすることで、脂肪燃焼による筋肉の引き締め効果が高くなります。
・1セット目…最大筋力の50%×20回(ウォームアップ)
・2セット目…最大筋力の70~60%×15~20回(キツイと感じる回数)
・3セット目…最大筋力の70~60%×15~20回(キツイと感じる回数)
・4セット目…最大筋力の70~60%×15~20回(キツイと感じる回数)
※セット間のインターバルは2分以内とする。
※3・4セット目は重量を落としても良いので、15~20回をキープする。
※体力的にキツイ場合には、4セット目をカットする。
※上記メニューを、週1~2回行うようにする。
 

デッドリフトの週間頻度について

デッドリフトは、高重量を用いて多くの筋肉を同時に鍛えるため、他の種目よりも体力の消耗が激しい種目になります。
また、腰部(脊柱起立筋)にも大きな負荷がかかるのですが、腰部は疲労が溜まりやすく回復するのに時間を要するのです。
ですから、デッドリフトの頻度は週1~2回とし、腰に疲労や違和感を感じたりした場合には、決して無理をせずに休むようにしてください。
 

初心者向け「おすすめバリエーション3選」!

デッドリフトで最大限の効果を出すためには「基本フォーム」をしっかりとマスターすることが大切ですが、1回こどに膝の屈曲動作を伴うため、膝が伸びたあとからバーベルを引き上げるようなフォームになりやすく、練習を積まないと、初心者にとってはマスターするのが難しい場合があります。
そこで初心者におすすめなのが、膝を伸ばしたまま行うデッドリフトです。
ここではバリエーションとして3種目紹介しますので、もし、膝の屈曲を伴うフォームが難しいという場合には、まずこちらのやり方で行ってみると良いでしょう。
また、ここで紹介するフォームは、特に、ハムストリングス(大腿二頭筋)への刺激を強めますので、中上級者であっても、ハムストリングスを重点的に鍛えたいという場合には、是非採用してもらいたい種目になります。
 

ルーマニアンデッドリフト(バーベル)


ルーマニアンデッドリフトは、ハムストリングスを鍛えるのに適した種目になります。
抗重量筋全体が刺激されますが、特に、ハムストリングスのストレッチを強く感じることができ、軽重量でも効果を出しやすくなります。
膝を伸ばしたまま前傾姿勢を取ると腰部への負担が大きいと思われるかもしれませんが、それは、バーベルを体から離して行った場合です。
動画のように、バーベルを体に沿って動かすことで、腰部への負担は軽減されますし、膝の屈曲に合わせてバーベルを引き上げたり下ろしたりする心配もないので、初心者にとっては、このフォームの方が安全で動作しやすいと言えるのです。
 

ルーマニアンデッドリフト(ダンベル)


ルーマニアンデッドリフトをダンベルで行う場合のやり方になります。
ダンベルがあれば、自宅でも手軽に行うことができる種目です。
バーベルに比べて高重量は扱いにくいですが、軽重量であっても、ハムストリングスにストレッチを感じることができれば十分効果を得られます。
軽いダンベルしかない場合には、4秒かけて引き上げ4秒かけて下ろすを目安とし、
ゆっくりとした動作で回数を多く行うようにしてください。
 

シングルレッグRDL


ルーマニアンデッドリフトを片脚ずつ行う場合のやり方になります。
この場合、前脚のハムストリングスが重点的に鍛えられるようになります。
片脚ずつ行うことで負荷を高めることができるので、軽いダンベルしかない場合には、このやり方で行うと効果的です。
 

上級者向け「高重量を引くための最強デッドリフト」!

デッドリフトで、より重いバーベルを引きたい、更に記録を伸ばしたいという人におすすめなのが「ワイドスタンスデッドリフト」になります。
これは、パワーリフターなどが好んで行っているやり方なのですが、全身の筋肉の動員率を高めることで、より大きな筋力を発揮しやすいフォームなのです。
今回は、この「ワイドスタンスデッドリフト」についても詳しく解説しますので、是非参考にしていただき、必要に応じて取り入れるようにしてください。
 

ワイドスタンスデッドリフトのフォーム


基本フォームとの大きな違いは、スタンスの広さと上体の前傾角度になります。
ワイドスタンスデッドリフトでは、足幅を肩幅よりも広くして立つようにし、つま先は大きく「ハの字」に広げ、外側を向くようにしておきます。
そしてもう 1 つ特徴的なのが、上体の前傾角度が浅いという点です。
基本フォームの場合ですと、もっと上体を前傾させたベントオーバーの姿勢からのスタートになるのですが、ワイドスタンスデッドリフトの場合には、基本フォームに比べて上体の前傾角度が浅く、上体を起こし気味にした姿勢となります。
【ワイドスタンスデッドリフトのスタート姿勢】
①足を肩幅よりも広く開きワイドスタンスで立ちます。
②つま先を大きく「ㇵの字」に広げ外側を向くようにします。
③このとき、胸を張り、背中にアーチが作られた状態で立ちます。
④上体を少し前傾させ膝が90度程度になるまでしゃがみます。
⑤しゃがんだ時に、背中が丸まらないように注意します。
⑥肩幅よりも少し狭い広さでバーを握ります。
※引き上げ方法、下降方法のポイントは「基本フォーム」と同じです。
 

ワイドスタンスデッドリフトのメリット

ワイドスタンスにすることで、太もも内側の内転筋や大臀筋の動員率が高まり、より大きな筋力を発揮しやすくなるため、高重量を引くのに有利になるのです
また、上体の前傾角度が浅い姿勢からスタートすることで、立ち上がる際の上体の動きが最小限に抑えられるため、体の軸が安定し、高重量を引きやすくなるのです。
このフォームは筋力発揮に重点が置かれていますが、より重い重量が引ければ、それだけ筋肥大効果も高まるので、筋量増加を目指す上でも効果的だと言えます。
また、デッドリフトの重量が停滞してしまっているような場合にも、一時的に「ワイドスタンスデッドリフト」に切り替えることで、停滞期を脱することができます。
 

体型による有利・不利

デッドリフトは、身長が低く足が短い人の方が高重量を引きやすくなります。
これは、立ち上がる際に、ボトムからトップまでの移動距離が短くて済むためです。
逆に、身長が高く足が長い人の場合には、ボトムからトップまでの移動距離が長くなるため、立ち上がる際に体の軸が不安定となりやすく、大きな筋力を発揮しづらくなるという傾向があるのです。
ですから、このような場合には「ワイドスタンスデッドリフト」を行った方が、より大きな筋力を発揮できるようになり、高重量を引きやすくなるのです。
 

デッドリフトの重量を上げる「おすすめテクニック7選」!

デッドリフトの重量を上げることに拘りたい場合には、前項で解説した「ワイドスタンスデッドリフト」を行ってもらいたいのですが、その他にも、重量を上げるための効果的なテクニックやトレーニングギアがありますので、今回はその中から、即効性が高く特におすすめなものを紹介します。
 

オルタネイトグリップ

オルタネイトとは「互い違いの」という意味なのですが、オルタネイトグリップとは、両手を互い違いにさせてバーベルを握るという方法です。
例えば、右利きの人の場合には、右手をオーバーグリップ(順手)で握り、左手をアンダーグリップ(逆手)で握るようにします。
高重量を引き上げる場合、背中や脚の筋肉よりも握力の方が先に参ってしまうことがあるのですが、それを防ぎ、運動を継続するために用いるグリップになります。
 

無呼吸リフト

デットリフトでは、息を吸いながらバーベルを引き上げ、息を吐きながらバーベルを下ろすのが基本なのですが、最大重量に挑戦するような場合には、息を止めたまま動作した方が、体幹が安定し、より高重量を引きやすくなります。
具体的には、引き上げる前にしっかりと息を吸い込み、吸い込んだ後に息を止めます。
そして、呼吸を止めたまま、バーベルを引き上げて下ろす動作を行い、バーベルを床に置いたあとで息を吐くようにするのです。
基本的に、1回の動作の最中は、呼吸を止めたまま行うということです。
こうすることで、腹圧が高まった状態のまま動作することができるため、体幹が安定し、より大きな筋力を発揮しやすくなるのです。
 

目線

目線を下に下げてしまうと、重心が前に流れやすくなってしまうので、目線は正面、もしくは正面からやや上の方を見るようにします。
こうすることで、上体の角度が安定し、足裏全体で床を押す感覚が掴みやすくなるため、より大きな筋力を発揮しやすくなるのです。
なお、鏡を見て行なっているのであれば、自分の顔あたりを見る感じになります。
下を向いてしまうと背中が丸まり、腰への負担が高まるので注意が必要です。
 

ウエイトベルト

デッドリフトで安全に高重量を扱おうと思ったら、トレーニング用のウエイトベルトが必要であり、なるべく幅が広く厚みのあるベルトがおすすめです。
ウエイトベルトを巻くことで、腹圧を十分に高めることができ、体幹をしっかりと安定させると伴に、腰への負担を軽減させることが出来るのです。
特に、腰痛を患っていたり、腰に不安がある人の場合には、安全にトレーニングを継続するためにも、ウエイトベルトでしっかりと腰を保護する必要があります。
 

シューズ

テッドリフトを行う際のシューズは、靴底が硬くて平らなシューズがおすすめです。
普通のランニングシューズだと靴底が柔らかく安定感を欠くため、靴底が硬い方が、高重量を引き上げるのに有利になります。
また、靴底の形状についてですが、なるべく地面に密着している部分が多い方が、足裏全体で押し上げることができ、強い筋力を発揮しやすくなります。
 

種目の順番

デッドリフトは体力の消耗が激しく、腰部への刺激も強まるため、背中のトレーニングプログラムの最後に行うのが主流となっています。
しかし、デッドリフトの重量を上げたい場合には、最初に行うことをおすすめします。
体が疲労していない状態で行った方が、より高重量を引きやすくなるからです。
また、デッドリフトを最初に行って高重量に体を慣らしておくと、その後に行うベントオーバーロウイングやラットマシンプルダウンが軽く感じるようになります。
 

週間頻度

体重以上の高重量を用いてデッドリフトを行う場合、頻度は週1回で十分です。
デッドリフトの重量が伸びない原因として、週間頻度が多すぎて慢性的な疲労状態に陥っているケースが多くありますので注意してください。
また、1~2回しか引けないMAX重量を扱う場合には、週1回でも多すぎる場合がありますので、例えば、下記のようなサイクルトレーニングが効果的です。
・高重量の週…最大筋力の95%以上の重量まで上げる
・軽重量の週…最大筋力の80%の重量までしか上げない
とし、高重量の週➡軽重量の週➡高重量の週というように交互に行うようにします。
こうすると、MAX重量を扱うのが2週間に1回となり、間に軽重量でのトレーニングを行うことで、疲労を回復させつつ筋力を向上させることができるのです。
 

デッドリフトで「強靭な肉体」を手に入れよう!

今回はデッドリフトについて解説しましたが、デッドリフトとは、筋力の向上にとっても筋量の増加にとっても非常に効果的な種目であり、デッドリフトを正しいやり方で行うことで、強靭な肉体を効率よく作り上げることが可能となるのです。
全てのトレーニング種目の中で、デッドリフトのように大きな筋力を発揮でき、多くの筋肉を同時に鍛えられる種目は、他にはありません。
それだけ、デッドリフトで得られる効果は大きく、素晴らしいものなのです。
初心者の方は、当記事で解説したデッドリフトの正しいやり方を参考にして、まずは1~2ヵ月間、デットリフトに取り組んでみてください。
すると、筋力がグングン強くなり、重量が増えていくことに驚くことでしょう。
また、中上級者の方にとりましては、当記事が、デッドリフトの重量を更に伸ばし、より高度な筋肉の発達を実現するための一助となれば幸いです。

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【プロが徹底解説】デッドリフトのやり方と正しいフォーム。効果を最大限に出す方法とは

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