ジムオーナーが語る。新たな価値を提供するオンラインジムという生存戦略

ジムオーナーが語る。新たな価値を提供するオンラインジムという生存戦略

オンラインサービスが普及する中、「オンラインジム」が誕生しました。今回は「KEYFITオンラインジム」について、オンラインならではのメリットや今後の展望を、経営者であるKEYFIT代表の久野トレーナー詳しく解説します。

この記事を書いた人

久野圭一
久野圭一

株式会社キーフィジーク代表取締役。パーソナルジムKEYFITなど三店舗を経営。パーソナルトレーナー歴13年。 一般の方だけでなく多くのトレーナーを指導するトレーナー。

1分サマリー

※本記事は、2020年7月に執筆したものです。

みなさんこんにちはボディメイクスペシャリストの久野です。
パーソナルトレーナーを14年ほどやらせて頂いています。
現在はパーソナルジムを三店舗経営し、2020はJBBFフィジーク172センチ以下級で日本一になりました。

そんな筋肉の畑で生活させて頂いている私ですが、本日はベストレさんのページをお借りして6月からスタートした私の会社の新事業「KEYFITオンラインジム」について書かせて頂きたいと思います。
なぜオンラインなのか、なぜ今なのかというところなどについて書くので、なかなかコアな感じになるかと思います。
よろしければ是非最後までお付き合いください。

フィットネス業界に影響を及ぼした新型コロナウイルス

さて、中国武漢市に端を発した新型コロナウイルスは世界中のありとあらゆる人々の生活に影響を与えました。
ビジネス面では多くの産業が巨大な影響に対応するために変化を余儀なくされています。
それはフィットネス産業も例外ではありません。国の緊急事態宣言を根拠とし、多くのフィットネスクラブは数ヶ月の営業自粛を決断しました。
それにより多数のトレーナー、インストラクターは一時働く場を失ったわけです。
働くトレーナー個人の問題ならまだしも外部からの要因で働けなくなるというのは、大きなインパクトです。

立錐の余地もなく多くの運動愛好家に利用されていたスタジオプログラムも、今では三密を避けるために入場制限やプログラム自体の中止を余儀なくされています。
多くの人が詰めかけてみんなで汗を流すという業態は、この社会的情勢と非常に相性が悪く感じます。
こんな状況がいつまで続くのかわかりませんが、某サロン系情報サイトの市場調査によると、フィットネスクラブを辞めてしまった元利用者は「ひとまず様子を見る」というような感じで、再び入会する意思が低いことが多いそうです。

パーソナルでもフィットネスクラブでもない。オンラインジムという生存戦略

という訳で、一つの場所に多くの人を集めるというビジネスモデルは難しくなりました。
パーソナルジムはマンツーマンなので多くの人が集まる業態ではないですが、スポーツジムと一緒くたに認識されることも多く、一律自粛すべしという波が起きたら影響は大きいでしょう。
ではどうするかというところで、オンライン上でのサービスを考えていくことにしました。

新型コロナでジムを退会したり敬遠したりしている多くの方は運動やトレーニングをしたくないのではありません。
新型コロナがあるからひとまず様子を見ようもしくは辞めておこうとなっているわけであり、運動に復帰したい気持ちはあるのです。
新型コロナの前からジムに行ったことがなかった方でも安心してトレーニングできる環境さえあればやりたいと感じる方は沢山いると思うのです。
画面の向こうにお客様はいるという訳です。

しかしそこで少し悩んだのは、「オンラインの運動指導はどう頑張っても実際に会って指導するパーソナルトレーニングに比べてクオリティは落ちる」という点です。
そりゃあ実際にお客様の動きや表情を見て、直接動きを修正したりできるパーソナルトレーニングに比べたら質は落ちます。
でもそれはそれで良いのかなと思い直したといいますか・・・比べる必要ないかなと考え直しました。
動きの修正が難しいなら、他の部分を充実させれば良い。
パーソナルを元に考えてはいけないのです。
オンラインはオンラインの良さを追求し、パーソナルとは全く違うサービスにすれば良いんじゃないかと思い付きました。

お客様は運動や食事の正しいやり方、そして「自分にあったやり方」を求めておられます。
運動それ自体を正したいというより、効果的なやり方を知りたいのです。
ベストはパーソナルトレーニングですが、オンラインジムはKEYFITの多くのパーソナルトレーナーがコンテンツを作っているため、ある意味知識的な面ではパーソナルトレーナー指導の集合体です。
そういった知識を得るという点では、パーソナルトレーニングに勝る点も多いと思います。

彼らは基本的にお客様からの質問を自分で回答しますが、私を含め周りのトレーナーに意見を求めることも多いです(サロンに公開されている質問のみです)。
その場合お客様への返答は数名のトレーナーの相談の結果という訳ですから、ある意味たった一人のトレーナーの意見よりも洗練されていることも多いんじゃないかなと思います。
相談に対する返答のクオリティは非常に高いと自負しています。

私が普段意識していることで「慣れは猛毒」ってものがあるのですが、パーソナルトレーナーをずっとやっていると「運動指導とは、パーソナルとはこういうものだ」という固定概念に縛られます。
経験豊富なベテランほどハマります。
新しいビジネスモデルを求められている時代ですから、難しいですがそこから脱却する必要があると思います。
個人のトレーナーの力ではなく集団の力です。
そのためにもチーム力を高めなければいけませんね。

オンラインジムを一つのチームにする

パーソナルとは別のサービスを作るということを決めたら、ここから仕組みづくりと立ち上げです。
私はシステムの構想と監督、メンバーの役割分担を決めることに集中します(KEYFITオンラインジムという名前は私が決めました)。
オンラインジムの細かな部分は任命した責任者(オンラインジムリーダー)を中心にトレーナー達が作り運営しています。
トレーナーは得意分野をセクションごとに分けて活動しています。
ダイエットに良いレシピを中心にコラムを書くトレーナーや、オンラインレッスンをするトレーナーなどです。
それぞれに役割があり、コンテンツを作っています。

また、双方向のコミュニケーションが有料のオンラインサービスの場合は大事なんじゃないかなと思います。
一方的にコンテンツを提供するだけならYouTubeと大して変わりません。
お客様が体づくりやダイエットで疑問を持った時に気軽に質問できる。
我々はボディメイク・ダイエットの専門家ですから、質疑応答を受けられるサービスの提供は価値を感じて頂けるのではないかと思います。
それをサービスの柱の一つにしました。



またターゲット層として「女性・初心者特化」としました。
女性向けならオンラインレッスンでウエイト器具が使えなくても、女性の美しい体を作るトレーニングに充分負荷は足りると考えたからです(筋肉を沢山付けたい男性向けに久野個人のサロンを作ろうかと思ってはいます)。

オンラインジムというモノを、リーダーを中心とした一つのチームに組織し運営する。
入会したお客様に多くのサービスを提供してボディメイクの結果を出して満足していただく。
その仕事に対して会社はトレーナー達に健全な報酬を支払う。
これはまさにオンライン上に一つのジムを作るようなものです。
単なる画面上のパーソナル指導ではなく、もっと総合的にお客様をサポートするサービスなのです。

スタートして初月の定員は100名の予定でした。
しかし、24時間の募集だったにも関わらずわずか数時間で満員となり、急遽枠を増やし107名の方がご入会くださいました。
求められているニーズと合致できたのかなという手応えを感じて嬉しかったですね。

作って終わりではなく常にバージョンアップする

私はこのサービスがとても可能性があるものだと感じています。
まだスタートして二ヶ月ですが、多くのバージョンアップを企画しています。
7月はオンラインレッスンの担当トレーナーも増員し枠自体も増やしました。
8月からはトレーナーも2名追加します。
追求したいのは「え?この料金でここまでやってくれるの?!」と言って頂けるようなお得感です。
毎月アップデートしていくことで絶対に飽きないようなサービスを提供していきたいのです。
オンラインジム全体を改善していきつつ、同時にお客様一人一人をしっかり見させていただく。
そのようなサービスにしていきます。

フィットネスを好きな方々とのコミュニケーションの場を作りたい

やりたい事はいっぱいあります。
オンラインジムのみなさまにリアルのイベントに来て頂く・・・なんてこともしてみたいです。
今は時期的に厳しいですが、大きなスタジオで実際に川野トレーナーのレッスンを受けていただくとか。
交流会で倉田トレーナーの鶏胸肉料理を振舞うとか。
また、パーソナルでない少し大きめのジムを作る計画をしているのですが、KEYFITオンラインジム会員様限定でトレーニングキャンプをやったりするのも面白いですね。

オンラインのことを考えるとすごく色んな事を思いついて楽しいんですよ。
今はまだまだ始めたばかりですが、非常に良いサービスだと思っているのでどんどん大きくなるはずです。
オンラインという必要性から産まれたサービスの形が新たなスタンダードになるんじゃないかとワクワクしている今日この頃です。

ベストレ編集長 KEYFITオンラインジムは毎月1日にメンバーを募集しています。気になった方は、月初に以下のリンクをチェックしてみてくださいね。
KEYFITオンラインジムの詳細を見る
ベストレ編集長 オンラインでサービスが受けられるパーソナルジム&トレーナーが気になる方はこちら

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株式会社キーフィジーク代表取締役。パーソナルジムKEYFITなど三店舗を経営。パーソナルトレーナー歴13年。 一般の方だけでなく多くのトレーナーを指導するトレーナー。

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