腕(上腕二頭筋・上腕三頭筋)の筋トレを現役トレーナーが解説!

腕(上腕二頭筋・上腕三頭筋)の筋トレを現役トレーナーが解説!

筋肉質な印象を与えやすくコスパの良い腕の筋肉は、重点的に鍛えたいところ。今回はそんな腕のトレーニングについて、現役トレーナー兼イラストレーターの内記渓人が基本から応用までイラスト付きでわかりやすく説明します!

この記事を書いた人

内記 渓人
内記 渓人

パーソナルトレーナー兼イラストレーター。SNSでは「体づくりをイラスト解説」をテーマに発信し、約1.7万人のフォロワーから支持を集めております。

1分サマリー

腕の筋トレの特徴

今回は腕のトレーニングについて基本から、マニアックなテクニックまで解説させていただきます。

腕は他の部位と比べ露出する機会が多く、それ故に熱心に鍛えるトレーニーも多いと思います。
実際腕が太いと、それ以外の部位がそこまで発達していなくても、見た人に筋肉質な印象を与えられるため、コスパがいい部位だと思います。

基本的に腕の筋肉は、肘を曲げ伸ばしする単純な運動に関与することが多く、簡単に鍛えられそうなイメージがあります。
しかし単純な運動が故に1つ1つの動作が重要になってくるので、意外と伸び悩む人が多い部位でもあります。

そんなわけで今回は、腕を覆う大きな二つの筋肉である上腕二頭筋(力こぶ)と上腕三頭筋(二の腕)の構造や鍛え方を解説し、どうすれば効率よく筋肥大させることができるのか、解説させていただきます。

上腕二頭筋(力こぶ)の鍛え方

上腕二頭筋の構造



まずはこちらのイラストで上腕二頭筋の構造を確認してみて下さい。
上腕二頭筋は肩関節と肘関節をまたぐ筋肉になります。
上腕二頭筋のトレーニングといえば、肘を曲げる動作を思い浮かべると思いますが、実は肩関節をまたいでいる関係で、肘を上げる動きにも多少関与します。

そしてはたらきがよく似た上腕筋という筋肉も存在し、こちらは肘関節のみを跨ぐ筋肉ですので、単純に肘を曲げる動作にのみ関与します。

まとめると、上腕二頭筋の動きを最大限に発揮するためには肘を曲げる動作(Aとします)に加え、②肘を前方に押し出される(B)必要がありますが、その近くにある上腕筋は肘を曲げる動作(A)によってのみ鍛えられます。

そのためこの類似する二つの筋肉を鍛え分けるためには、上腕二頭筋のトレーニングにおいて、肘が前に押し出される(B)状況を作ってあげることが有効になります。

フォームにこだわる



更に厄介なことに腕を曲げる動作には、腕橈骨筋という筋肉も関与します。(どんだけ多いんだよって感じですよね…)

あまり各筋肉について深掘りしすぎると、ごちゃごちゃしてしまいそうなので、簡単にコツだけ説明させて頂きます。
上腕二頭筋は先ほど説明した動きA・Bに加え、小指を顔の方に向けてひねる回外(C)の動きもあるので、この動きを強調させる事で他の筋よりも使われやすくなります。

逆に親指側を顔の方に向ける(回内する)と上腕二頭筋は使われにくくなるので、腕橈骨筋を狙って鍛える時などはそのようなフォームをとると良いです。

もう一つの大事な要素

上記で解説した鍛え分けのテクニックも大切ですが、筋肥大においては重量を上げることや、筋肉を疲労させる事も大切になります。

そのため、テクニックを意識しすぎて力が極端に発揮しにくくなるような状況や、筋肉を追い込みにくくなるような状況(簡単に言うと上手く力が入らず粘れない状況)はできれば避けたほうが良いので、まずは深く考え過ぎず、バーベルカールなどのベーシックな動きの重量を伸ばしていく意識も必要だと考えております。

ここからは少しマニアックな解説になります。

上腕二頭筋の鍛え分け





まずはこちらの2枚のイラストを見てみて下さい。

先ほど説明したポイントに加え、肋骨の意識も実は大切になってきます。
肋骨の締め方に関しては、イラスト上で解説してあるので割愛させて頂きます。

冒頭では「腕のトレーニングは動きが単純であるが故に、1つ1つの動作が大切になる」と書かせていただきましたが、本当にその通りだと考えており、「肘を曲げるという単純な動作でも手首の向きや肋骨の開きなど細かい要素まで拘る」事が必要になります。

トレーニングを長期間も継続していると動作にも慣れ、重量が停滞するタイミングが出てくると思います。

そんな時は上記のような細かい部分にも気を配り、トレーニングのスキルを向上させて行くことが大切です。

力こぶまとめ



上腕二頭筋とその周辺の筋肉を鍛える際のフォームについてまとめてみましたので、是非トレーニングの際は意識してみて下さい。
(上腕筋のフォームで手首を反すように書いてありますが、今は少し考え方が変わりこれはかえって非効率なのではないかとも思うようになったので、意識して反す必要はありません。ややこしくなってしまい申し訳ございません。)



個人的にとても効果が実感できた、「初動から負荷を乗せる」というテクニックについても解説いたしましたので、是非参考にしてみて下さい。

ここからは上腕三頭筋のトレーニングについて解説させて頂きます。

上腕三頭筋の鍛え方

上腕三頭筋の構造



上腕三頭筋はその名の通り、3つの頭に分かれた筋肉になります。
「上腕二頭筋ですらあんなに複雑なら、頭の増えた上腕三頭筋はもっと複雑なんじゃ…」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはそんなこともないと思います。

腕を曲げる筋肉は複数存在するのに対し、腕を伸ばす動作に関与する大きな筋肉は上腕三頭筋くらいですので、他の筋肉との複雑な鍛え分けが必要なく、比較的鍛えるのが苦手燈い人が少ない部位になります。

ただ上腕三頭筋の3つの頭の中(長頭・内側頭・外側頭)でも、長頭だけは、肩関節をまたぐ構造をしているので、少し鍛え分けが必要になります。

動きを知る



具体的に説明すると長頭以外の2つの頭は肘を曲げ伸ばしする際に鍛えられるのに対し、長頭だけは、腕を下に下ろす際にも関与します。
「では上腕三頭筋の長頭を鍛える時は、腕を下ろす動作を行えばいいのか」というと、そういうわけでもないのです。

腕を下ろす動き(肩関節の屈曲)には、大胸筋広背筋や大胸筋など他の大きな筋肉も関与することになるので、上腕三頭筋にだけ狙いを絞って鍛えることが難しいのです。

ではどうすればよいのかというと、個人的には上腕三頭筋を鍛える種目の中で、動きやスタートポジションにほんの少し変化をつけ、3つの頭を鍛え分けるのが良いと思います。

プレスの動作



手幅の狭いベンチプレスの「ナローベンチプレス」などの種目は、押す動作で上腕三頭筋を鍛えることができます。
この動作では基本的に肘関節が曲げ伸ばしされることによって、上腕三頭筋が働くので肘関節の働きを良くする必要があります。、

そこで意識して頂きたいのがバーの握り方です。
手首を倒すサムレスグリップで握ると、肘関節が主体となる動作がスムーズに行いやすくなります。

しかしサムレスグリップはある程度慣れていないとバーが落下するリスクなどもありますので、取り入れる際は注意して下さい。(不安がある場合は決して取り入れない)

エクステンションの動作➀



シーテッド・トライセプス・エクステンションなどのトレーニングでは腕を頭上に上げるため、構造上、上腕三頭筋の長頭が引き伸ばされ効率よく鍛えることができます。

肘を開いて行うと長頭への負荷が掛かりにくくなるため、目的に応じてフォームを変えることが大切です。
また、その際ウェイトの握り方も重要になってきますので、こちらもイラストの解説部分を読んでみて下さい。

ここには書いていませんが、胸を張って行うと、上腕三頭筋へ上手く負荷が入らないことも多いので、胸は少し閉じ気味で行ってみてもよいかも知れません。

エクステンションの動作②



寝ながら行うエクステンションの動作も肘の位置や、開き具合によって鍛え分けが可能です。

肘を閉じて、肘の位置を頭上に近づけると上腕三頭筋の長頭に負荷が乗りやすく、肘を開いて肘の位置を地面に対して垂直にすると上腕三頭筋全体に負荷が分散されやすいです。

この辺は腕の長さや筋腹の位置、柔軟性によっても変わってくるので、上記のポイントを参考に自分にとってのベストポジションを探してみて下さい。

プレスダウンの動作



他の種目と比べると、比較的準備が楽で取り組みやすいプレスダウンの動作でも鍛え分けが可能です。

ケーブルで行うため自由度が高くフォームが定まりづらいですが、ウェイトを下ろす方向と握り方を工夫する事で狙った部位に負荷を乗せやすくなります。

詳しい解説はイラストでも解説しておりますが、握り込むと外側頭に効きやすく、握り込まないと長頭に効きやすいという傾向に関連しているのか「握力が高い人は外側頭が発達しやすい」とマッチョ界では言われているそうです。(エビデンスはありませんが、肌感としてそう感じている人が多いのかもしれません)

トレードオフを考える

ここまで腕の筋肉の鍛え分けについて説明させていただきましたが、鍛え分けと同じくらい意識して頂きたい考え方にトレードオフというものがあります。

トレードオフ…相容れない2つの要素が存在し、どちらかを手に入れるためには、どちらかを失う必要があるという意味。

例えば、筋肥大を目指すうえでは重量を伸ばすことや、トレーニングの強度を挙げる必要があります。
しかし、力が発揮しやすいフォームはある程度決まっているため、鍛え分けを重視してフォームを変えた結果、挙上重量や強度が落ちることもあります。

そう考えると、鍛え分けを意識した場合と、力の出るフォームを意識した場合とで、長期的に考えてどちらの方が特定の部位を筋肥大させることができるかは分かりません。

個人的には、初心者の内から鍛え分けを意識しすぎてしまうのは、土台となる筋肉量の獲得を目指すうえでは非効率な気もします。

しかし鍛え分けを全く意識しないのも、理想のからだを目指すうえでは良くないと考えているので、この辺のバランス感覚は少し意識しつつトレーニングに望まれると良いかも知れません。

ちなみに僕は筋量もバランスもまだまだ不足しているので、ベーシックな力を伸ばす種目と、細かい鍛え分けをする種目をどちらも取り入れております。

鍛え分けが大切であるという記事を数記事書かせていただきましたので、同様にトレードオフという考え方も大切であるという説明もさせて頂きました。

少しでも参考にして下さると嬉しいです。

内記トレーナーの筋トレ解説シリーズ

背中編

胸編

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