トレーナーは結果が全て。KEYFIT代表久野圭一のトレーナー論

トレーナーは結果が全て。KEYFIT代表久野圭一のトレーナー論

自身がトレーナーとして活躍するだけでなく、教育者としてもパーソナルトレーニング業界に影響を与えている久野さん。元々は警官になろうとしたところからトレーナーになったそうです。トレーナー必要な素質やトレーナー教育をしている理由など、久野さんのトレーナー論に迫ります。

今回インタビューしたトレーナー

久野圭一
久野圭一

株式会社キーフィジーク代表取締役。パーソナルジムKEYFITなど三店舗を経営。パーソナルトレーナー歴13年。 一般の方だけでなく多くのトレーナーを指導するトレーナー。

1分サマリー

表紙

※この記事は、2020年7月時点の情報です。当時の状況と異なる部分がある可能性がある点、ご留意ください。


成長がシンプルに分かるウェイトトレーニングの虜に

僕、高校と大学の時に空手をやっていたのですが、空手の練習ではウエイトトレーニングをしたことがありませんでした。
元々筋トレが好きで、大学4年間はウエイトを使ってなかったのでやってみたいと思い、空手を引退してからは近所にあるジムに入会したんです。

ジムでは、従業員の方がお客様と楽しんでコミュニケーションしてるなという印象がありました。
僕も入会後に色々とサポートをしてもらっていて、「プロテインを飲んだほうがいいよ」「こうしたら腹筋に効くよ」「下半身にはレッグプレスが良いよ」といったアドバイスをもらって楽しみながらトレーニングをしていました。

ウエイトトレーニングは、面白くてハマりましたね。
例えば、100kgを上げられる人が105kgを上げられるようになると成果が目に見えて分かります
空手やサッカーなどのスポーツは、どれだけ練習しても同じ相手に負けることがありますし、一度勝った相手でも負けることがあります。
ウエイトトレーニングはもっとシンプルで、50kgは50kgでしかないんです。
身体作りをするだけではなく、ウエイトトレーニング自体にハマったんですよね。

自分はトレーナーに向いている

僕が通っていた大学では、卒業後に警察官や自衛隊になる人が多かったので、僕も警官になろうと思って公務員の勉強をしていました

そのとき勉強の合間に、ジムでトレーナーのアルバイトをしたんですよ。
アルバイトしていた当時は警官になるつもりでしたが、興味本位で始めたトレーナーにどんどん惹かれていきました。
トレーナーは接客業なので、お客様に元気よく挨拶をして笑顔を届けるのが楽しいと感じて、トレーナーの仕事は自分に向いていると思いました。

その当時、パーソナルトレーナーという職業自体あまりメジャーではなかったのですが、アルバイトをしていたジムが研修制度を導入したので、一期生として参加させていただくことになりました。
そこの研修はとても充実していて、何十時間も研修を受けましたね。
研修の中には、大勢の講師に見られながら受ける試験があって、落ちると再試験という感じでした。
研修を受けながら時給をもらってたのが、非常にありがたかったです。
結局、公務員の勉強はやめてパーソナルトレーナーの道に進みました

情熱3倍で突き進んだ日々

アルバイト生活は従業員同士の仲が良く、休憩時間にトレーニングをするくらいトレーニングも楽しかったので、毎日がすごく充実していました。
情熱も今の3倍はあって、人生で一番楽しかった時期かもしれません。
しばらくすると、パーソナルトレーナーとして店内でも一番の人気となりました。


取材当時から10年ほど前の久野さん

しかし、同時にアルバイトに対する引け目も感じていましたね。
パーソナルトレーナー一本でやっていくにあたり、ちゃんと企業へ就職したほうがいいなと思うようになって、パーソナルジムの会社に就職しました。

最初は業務委託という形でしたが、1年ちょっとで正社員になり、3年程お世話になりました。
自分の知識には自信があったのですが、先輩に「絶対知らないだろう」という質問をしても鋭い答えが返ってきて、やっぱりプロは違うなと感動したのを覚えています。
企業では、プロの集団に囲まれていたこともありトレーナーに関して多くのことを学び、日々成長を実感していましたね。
当時は休みがほとんどなく、お金もあまりありませんでしたが、好きなことをやっていたので苦ではありませんでした

トレーナーは「手に職」の仕事

もともと独立をしようと思っていたので、3年間企業で働いてからは独立しました。



トレーナーは、弁護士や税理士といった士業と似ているところがあって、「手に職」の職業だと思います。
技術で仕事をこなしていくため、組織に属するよりも個人で働く方が多いと思うんです。
僕自身も、独立志向でなんでも自分で決めたい性格なので、人のサポート役に向いていないんですよね。

2013年に、「ヒサノトレーニングラボ」という屋号で独立しました。
実は、この名前は今の僕のYouTubeチャンネルの名前になっています。

ベストレ編集部 チャンネル名が「ヒサノトレーニングラボ」になった時の動画です。


その後、2016年に1店舗目となる「ハルトレ」をオープンしました。
ハルトレは僕専用のパーソナルジムで、今現在は新規の方は受付せずに、既存のお客様だけを指導させていただいている場所です。
2017年には「KEY FIT」を設立し、2018年には2店舗目を出しました。
KEY FITは現在、横浜と恵比寿で計6人のトレーナーが所属しています。
この6人のトレーナーは、僕の元に弟子としてやってきたトレーナーです。
直接DMで「弟子にしてください」と連絡がきた方に実際に会って話してみて、やっていけるなって思える人だけを弟子にしました

トレーナーに必要な3つの素質とは

僕がトレーナーを見極める時は、「知性」「誠実さ」「エネルギー」を重視します。
この3つの素質は、後から鍛えられるものではないので、これら全てを備えている人を弟子として受け入れています。

知性は、学歴が高いとかではなく、知性的だなと思う何かがあるかどうかですね。
知性というものに敬意を持って思慮深く考えられるかどうか
知らないことに対して雰囲気で分かったフリして答えるのではなく、分からなかったら分からないと言える、誠実さも必要です。
僕はこれを「知的誠実性」と読んでいます。

知性がないと勉強しても無駄なんですよね。
例えば、脂質は1gあたり9キロカロリーと知っていても、この知識を指導に落とし込む知性がないと意味がありません
他にも、自分の発言でお客様がどう思うのかの想像力がなかったり、こうしたらこうなるだろうという予測力がなかったり、これらは全て知性だと思っています。

知性があればたとえ知識がなかったとしても、それを恥じて勉強すると思うんです。
なので、今持っている知識は全くみないですね。
知性に加えてエネルギーもあれば絶対に勉強するので、知識がなくても全く問題ないんです。


久野さんの研修を受けるKEYFITトレーナー

うちの倉田くんは30歳で転職をしてきたので、トレーナーのスタートとしては遅いですが、この3つの素質が全て備わっています。
彼は、エネルギーが滲み出てるし、誠実だし、実は知性もあるんですよ。
物凄いスピードで吸収して成長しましたね。
1年後には、10年間やっているトレーナーにも勝ると思いますね。

ベストレ編集部 倉田トレーナーのインタビュー記事はこちら。



ベストレ編集部 KEYFIT所属の内記トレーナーがトレーナーに必要な3要素についてまとめた記事も合わせてご覧ください。

情報拡散をポジティブに活用したい

倉田くん含め、現在僕のジムに所属しているトレーナーはTwitter経由で連絡してくれた人がメインなのですが、僕がTwitterを始めたのは、東日本大震災の日でした。
世の中でどういうことが起きているのかという情報が欲しくて。
テレビだけじゃなく、ネットから直接収集した方が早いだろうとも思いましたし。
その当時、「東京に黒い雨が降っている」という投稿を見かけたんです。
何千リツイートもされていて、僕も原発事故の影響で降ったのかなと不安になったのですが、結局デマだったんです。
情報拡散の速度に驚いたことを覚えています。

その時は悪い情報が広まってしまいましたが、これを良い面で活用したら非常に役立つと思いました。
特に、インスタと違ってTwitterにはリツイートがあるのが大きいですね。
独立をしたときに、Twitterを見て少しでも僕のパーソナルを受けに来る人が出てくればいいなという気持ちで、改めてTwitter運営に力を入れ始めました。

最初は、Twitter始めても申込はなかったです。
いきなり僕のパーソナルを受けに来るほど、世の中甘くないですからね。
フォロワーが4000人くらいになったときに、「パーソナルトレーニングの体験を受けてみたい」と初めての問い合わせが来たんですよ。
自分が始めたことで結果的に問い合わせが来たので、かなりの手応えを感じました

しばらくはたまに問い合わせが来ていた程度でしたが、フォロワーが7000人になってからはすごく増えたんですよ。
10000人になったらもう止まらないって感じでしたね。

久野さんのTwitterはこちら

ダルビッシュ有さんへの言及でフォロワーが激増

フォロワーが増えたのは、ダルビッシュ有さんにフォローされたのが大きいですね。
フォロワーが多い人にフォローされると通知がくるのですが、朝起きてから携帯を見たら、「ダルビッシュ有さんがあなたをフォローしました」というポップアップが出てきてびっくりしました。

きっかけは、早稲田大学の野球部の学生によるツイートでした。
学生は、寮での食事の写真をTwitterに上げたんですよ。
かた焼きそばの写真を挙げていて、「皆さん見てください。これが我々野球部の食事の現状です。こんな食事だと脂質も多いし、タンパク質も少ないし身体作りには良くない食事です」と軽い気持ちでツイートをしたようです。
ダルビッシュ有さんがリツイートして、「俺も炭水化物ばかり食べさせられたな」とコメントしていました。
リツイートによって一気に拡散されて、さまざまな賛否両論の意見が出てきましたね。
管理栄養士の方もリプライされていたりして、専門的な内容でダルビッシュ有さんとTwitter上で戦っていたんです。

僕は、厚生労働省による情報を使った持ち前の正論でダルビッシュ有さんに加勢したら、フォローとリツイートをしてくれました
しかも、その後「早稲田野球部の食事にダルビッシュが苦言」という見出しでYahoo!ニュースの記事にもなりました。
ニュースに取り上げられたことで野球部の食事を提供している業者の方が「食事内容を改善します」と言ってくれたようです。
学生は、「ネットで言っても何も意味がないと思っていました。皆さんありがとうございました」と言っていて、結果的には非常に良い結末を迎えたそうです。

久野さんが経営するKEYFITの紹介



KEYFITのアピールポイントは、全員が本物のトレーナーということです。

一般の方がジムを選ぶ場合、フィットネスクラブかパーソナルジムを選ぶと思います。
フィットネスクラブは、近所にあるから運動不足だし何となく始めようという方が多いと思うんですよね。
パーソナルジムの場合は、体型を変えたいと思う方が多く、お尻をこうしたい、腹筋をこうしたいなど、目的が細分化していることが多いです。
なので、パーソナルジムを選ぶ基準は、結果を出せるトレーナーがいるかどうかだと思います。
良いトレーナーであれば、マシンがなくても結果を出しますし。

ただ、お客様は実力のあるトレーナーを一目ではわからないと思います。
KEYFITは、本物のトレーナーしかいないのでその点は心配ありません
僕が「いける」と思ったトレーナーしか現場に立たせてないので。



今まで40人くらい弟子入りの志願があったのですが、トレーナーに必要な素質を持った精鋭のトレーナーしか残っていません。
なのでKEYFITに来ていただければ、どのトレーナーでも間違いありません

KEYFIT恵比寿店の詳細を見る

トレーナーは結果を出すことで信頼される



僕がKEYFITでトレーナーの実力を重視しているのは、パーソナルトレーナーとお客様の信頼関係は、成果を出したことだけで結ばれるべきだと考えるからです。
人として好きだから、かっこいいからとかではなく、トレーナーに実力があってその人の指導で結果を出すことで信頼されるべきだと思います。
パーソナルトレーナーは接客業ではありますが、トレーニング、ライフスタイル、栄養面のコーチでもあるので、成果でのみ信頼を得られるのが健全な状態です。

僕は10年前に、60代後半の女性のダイエットを担当したことがあります。
さまざまな事情があり、目標達成までにはかなり苦戦したのですが、最終的にダイエットが成功して手紙まで書いてもらったときはボロ泣きでしたね。
そのお客様には、卒業後も多くのお客様を紹介していただきました。
お客様の人生に何か残せたなと感じたときはすごくやりがいを感じましたね
トレーナーは、成果によってお客様から信頼された時に、お客様との心のつながりを感じることができるのだと思います。

ボディコンポジションが学べる学校を作る

今後は、パーソナルトレーナーの地位向上を目指したいです。

パーソナルトレーナーにも色々あります。
医療系国家資格を持ったPTや柔道整復師、アスリートを対象にするS&C、より一般的な人を対象にするパーソナルトレーナー。
その中で、一般の方向けにボディメイクをするパーソナルトレーナーは、他のトレーナーと比べて社会的地位が低いと思うんですよね。

しかし、一般向けの身体作りや見た目を変えるボディメイクは、潜在的ニーズが最も大きいと思います。
アメリカでは、ボディコンポジションという分野は非常に深い世界ですが、日本では筋トレ好きが雰囲気で教えているという風潮があります。
パーソナルトレーナーをプロの領域にして、社会的地位を向上させたいので、ボディコンポジションが学べる学校を日本で作りたいと思っています。

他にも、パーソナルトレーナーで家族を養っていく人が増えてほしいです。
パーソナルトレーナーは、職業形態上、ダラダラしている人が多いと感じます。
仕事と筋トレだけして、夜は遊んで飲み歩くみたいな。
でも本来は、仕事をしない時でも、勉強や掃除をするとか身になることをやるべきです。
だからこそ、社会人を数年経験していて一般常識を身に付けている人のほうが向いていると思いますね。
もらったメールをしっかり読んで返したり、遅刻をするときは事前に連絡したり、調べればわかることを聞かないとか。

若いトレーナーが多く伸びしろもあるので、こういった当たり前ができるトレーナーを増やしたいです。

これからトレーナーを目指す方へ



まずは、現役のトレーナーにたくさん会うべきだと思います。
今の時代であれば、Twitterで話しかけると話を聞けますし。
僕もたまに連絡が来るので、タイミングが会えば直接会って話してますよ。
トレーナー側も、これからトレーナーになりたいと思っている人がどういうことを思っているのか知りたいものだと思います。

ポイントは、今実際に仕事をしている人に話を聞くことです。
良いことだけではなく、悪いことも聞けるので。
ネット上でパーソナルトレーナーについて検索すると、良いことばかりが出てくると思うんですよね。
悪いことを聞いたときに、それでもやりたいと思えればトレーナーの見込みがありますし、無理だと思ったら早めに諦めて別の仕事が見つかるかもしれません。
無理だと思ったのに入った結果、したくもない努力をするのはしんどいと思うので、向いている業界に行くのが良いと思います。

僕のところにも、フィジークで優勝してトレーナーとして成功したいというDMがたくさんきます。
しかし、優勝するのは非常に難しいですし、優勝しても仕事が来るとは限りません。
こういった方は、直接話を聞いて現実を知ったほうが良いと思います。
努力をすれば、大成功は無理でも家族を養って生活していくには十分な職業だと思います。

久野圭一のページを見る

ベストレ編集部インタビュー後記

実は、筆者自身もパーソナルトレーナーを目指しています。
今回のお話は参考になることが多く、執筆しながら勉強になりました。
特に、トレーナーに必要な3つの素質はなるほどと感動しました。
トレーナーに限らず、3つの素質が備わっている人は魅力的な方ばかりだと感じます。久野さんも、3つの素質を備えた非常に魅力的な方でした。
久野さんのYouTubeも、トレーナーになりたい人やボディメイクにチャレンジしている人にはとても勉強になると思うので、ぜひ見てみてください。


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トレーナーは結果が全て。KEYFIT代表久野圭一のトレーナー論

今回インタビューしたトレーナー

久野圭一
久野圭一

株式会社キーフィジーク代表取締役。パーソナルジムKEYFITなど三店舗を経営。パーソナルトレーナー歴13年。 一般の方だけでなく多くのトレーナーを指導するトレーナー。

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