背中筋トレの鍛え方・効かせ方!基礎から応用までイラストで徹底解説

背中筋トレの鍛え方・効かせ方!基礎から応用までイラストで徹底解説

背中の筋トレはトレーニングの中でも難しいとされています。背中は自分で見ることができず筋肉の構造も複雑なので、鍛え方や効かせ方に工夫が必要です。この記事では、Twitterで筋トレイラストを発信している内記トレーナーが背中筋トレの基本から応用テクニックまでを詳しく解説します。

この記事を書いた人

内記 渓人
内記 渓人

パーソナルトレーナー兼イラストレーター。SNSでは「体づくりをイラスト解説」をテーマに発信し、約1.7万人のフォロワーから支持を集めております。

背中のトレーニングは苦手な方がとても多い印象です。

背中は胸や腕の筋肉とは異なり「基本的には自分で見ることができない」部位です。したがって筋肉の動きとイメージが一致させることが難しく、そのことが苦手意識を生む大きな要因になっていると考えております。

今回の記事では、そんな鍛えることが難しい背中の筋肉を、少しでも効果的に鍛えられるように背中の構造から細かなテクニックまで徹底的に解説し、背中の動きとイメージを一致させられるようレクチャーいたします。

また教科書レベルから、ややマニアックなテクニックまで網羅的に紹介するので、ご自身のレベルに合わせ足りない部分を補う意識で読み進めて頂くと、当記事は活用しやすいと思います。

背中トレの考え方

はじめに、背中のベーシックな鍛え方について解説していきます。

背中の筋肉はこのイラストからもわかるようにとても種類が多く、筋繊維の方向も様々です。

「筋肉は繊維の走行(向き)に合わせて伸び縮みさせる」必要があるので、引く動作が主体となる背中のトレーニングでは複数の方向から「引く」運動をする必要があります。

3つのベクトルから引く

ここから先のトレーニング紹介では動きの解剖学的名称が出てきます。

もちろんかみ砕いた表現をするので、動きの名称を知らない方でも記事の内容を理解して頂くことはできますが、積極的に情報収集をしていく場合、これらの専門用語は覚えておくととても役に立つので、余力があれば記事を数回見て名称も覚えて頂くと役に立つかもしれません。

上から引く

ウェイトを上から引く動きは「肩関節の内転」と呼ばれ、懸垂やラットプルダウン(イラストのトレーニング)が当てはまります。

この動きでは肩甲骨が上方に引っ張られやすく、その結果、背中の上部が収縮しやすいため、主に逆三角形を形作る赤色の部分(上から大円筋、広背筋の上部)が鍛えられます

そのため、手っ取り早く服の上からでもわかる「逆三角形の体」を作るためにはこの上から引く動きが有効です。

上から引く場合でも、逆手で握る場合と順手で握る場合で、負荷をかけやすい筋肉が変わってきますので、注意が必要です。

ここでの説明は、イラストのように順手(手の甲が顔の方を向く握り方)で握った状態で上から引く動きを想定しております。

正面から引く動き

正面からウェイトを引く動きは「肩関節の伸展・肩甲骨の内転」と呼ばれます。

同じ方向から引く動きなのに名称が2つあります。

これは支点を肩に置き脇を閉じて肘を前から後ろに引く動きが「肩関節の伸展」、脇を開いて肘を張り、ウェイトを引きながら肩甲骨を寄せる動きが「肩甲骨の内転」と呼ばれ、別の動きに分類されているためです。

厳密に言うと肩甲骨の内転は腕を正面から引かなくても、肩甲骨が動いていれば良いです。

しかし肩甲骨の内転によって背中の筋肉を鍛える場合は、正面から腕を引く動きが伴うことが多いので、ここに加えさせていただきました。

分かりやすいように、すこし乱暴なまとめ方をすると正面から引く動きは

・脇を閉じて肩を支点に腕を引く動き(肩関節の伸展)

・脇を開いて腕を引き、肩甲骨を寄せる動き(肩甲骨の内転)

の2つの動きに分けられるということです。

そしてこの正面から引く動きでは、主に背中の中心部を鍛えることができます

特に「肩関節の伸展」では広背筋、「肩甲骨の内転」では僧帽筋の中部から下部にかけて負荷を乗せやすくなります。(その際肩をすくませてしまうと僧帽筋の上部に負荷が入りやすいので注意が必要です。)

俗にいう厚みのある背中を作るためには、この正面から引く動きで僧帽筋を鍛えると良いです。

繰り返しになりますが、肩甲骨の内転に関しては、肩甲骨を寄せるという目的があり、それを手助けする形で腕を動かしております。

そのため一見同じ動作に見えてもメインで働いている筋肉はかなり異なります。


下から引く動き

ウェイトを下方向から引く動きは肩をすくませる動作である「肩甲骨の挙上」もしくはデッドリフト系の動きを指しています。

肩をすくませる動きでは、イラストで青く塗られている部分の僧帽筋という筋肉の上側が良く鍛えられ、デッドリフト系の動きは、背中全般と臀部(おしり)、太ももの裏側など体の背面の筋肉がほぼまんべんなく鍛えられます

デッドリフト系の動きは股関節が大きく働き、動きも複雑です。

また、背中の筋肉のみを鍛える運動とは言えないのでややこしくなるのを避けるため、今回は説明を割愛させていただきます。

ここまでは背中の筋肉を鍛えるためには上、正面、下の3方向からウェイトを引くことが重要であるという説明をしてきました。

そしてここからは、その考え方を踏まえ、より実践的に「どうすれば各方向からウェイトを引く動作で、対象の筋肉に効かせられるようにできるか」について解説させて頂きます。

またこれより良いフォーム・よくないフォームと分けて説明をすることがありますが、よくないフォームといっても何か特別な理由があって行う場合もあると思うので、一概には悪いフォームとは言えません。

ここでは、イラストの対象筋に負荷をかけるという目的に対してよいフォームか、そうではないかという視点で解説をさせて頂きます

背中への効かせ方

効かせ方➀ 上から引く

上からウェイトを引く動きで図の青色部分に負荷をかけたい場合は、「肩甲骨を下げる意識」が大切になります。

他にもいくつか気を付けるべき点はありますが、まずはこの肩甲骨を下げる(肩甲骨の下制)癖を身に着けるべきだと思います。

いきなり肩甲骨の下制と言われても、肩甲骨を自分の意思で自由に動かすのは難しいという方もいらっしゃると思います。

そんな時は「アゴを上げずに首を長く見せる意識」を持ってみて下さい。

自然と肩が下に降り、上からウェイトを引く動作に望ましい姿勢になることができます。

肩がすくんだまま(肩甲骨の挙上)背中のトレーニングをすると、首の付け根の筋肉である「僧帽筋」ばかり使ってしまいかねません。

トレーニング初心者は、結構な割合で肩がすくんでしまっているので気をつけましょう。


効かせ方② 正面から引く

正面からウェイトを引く場合に最も気をつけたいポイントは「上体を起こしすぎてしまう事」だと考えております。(図を参考にしてみて下さい)

マシンなどでトレーニングをする場合は例外ですが、バーベルやダンベルを使ったロウイング(引く動作)を行う場合、無意識に上体の角度を起こしすぎてしまう人は多いです。

そもそもバーベルローイングのようにウェイトを持った状態で上体を十分に倒すためには、もも裏の筋肉を使って体を支えるテクニックが必要です。

これは少し難易度が高いので「そもそもバーベルを持った状態で上体を十分倒すことができない」という方もいらっしゃるかと思います。

しかし正面からウェイトを引く動作において上体を起こしすぎてしまうと、

①バーベルやダンベルを動かせる距離が減る

②引く方向が体に対して正面ではなく、下方向に近くなってしまう

などの問題が発生してしまいます。

基本的にトレーニングにおいては大きな可動域で筋肉を動かすことが推奨されているので➀の問題は避けていきたいです。(短い可動域で規格外の重量を扱うトップビルダーも存在しますが、万人がマネできるものでもないのでここでは推奨いたしません。)

また、バーベルと体のなす角が変わってしまう②の問題も、ターゲットの筋肉を鍛えることができなくなってしまうので避けたいところです。

そこで解決策としては、まず使用重量が適切かどうか判断しましょう

ウェイトが自分の能力を超えて重くなればその分上体を倒したままウェイトを引くのが難しくなります。

まずは、適切なフォームで行うことができる重量を選択しましょう。

他に、デッドリフトの動きを練習するのもよいかと思います。

デッドリフトの動きを練習することで、「ヒップヒンジ」という動きが習得でき、その結果もも裏の筋肉を使ってウェイトを支えるコツがつかめると思います。

デッドリフトの動作は、背中トレの基礎を磨くという意味も込めておすすめです。


効かせ方③ 下から引く

肩をすくませるシュラッグ(図のトレーニング)は比較的簡単です。

イラストに描いてある動作さえ意識していただければ、ある程度は筋肉に負荷を乗せられると思います。

逆にデッドリフトの動作は意識するポイントが多く、それだけで記事が数本かけてしまうくらい複雑なので、今回は割愛します。

また3つのベクトルに限らず、どの方向から引くにしても、気をつけたい「共通したコツ」というものが背中のトレーニングには存在しますので、ここからはそちらについても説明いたします。


背中のトレーニングに共通したコツ


腕で引かない

個人的には、これが最重要ポイントであると考えております。

引く動作は、肘を曲げる筋肉(力こぶとして有名な上腕二頭筋など)と背中の筋肉が協働して行われることが多いですが、トレーニング経験が浅い人は背中ではなく腕の力をメインにウェイトを引くことが多いです。

そこで解決策として「支点を肘から肩に変える」意識を持つことがとても重要になってきます

詳しく説明すると

肘を支点にする→肘を中心に肘から先が時計の針のような円軌道で動くと腕の筋肉がよく使われる(アームカールなど腕の種目に近い動き)

肩を支点にする→肩を中心に肩より先が円軌道で動き、背中の筋肉がよく使われる。

というような違いがあります。

背中の筋肉(ここでは主に広背筋を指します)は体幹から腕につながっているので、その間にある肩関節が動く際によく使われます。

ウェイトを背中ではなく腕で引いてしまう人はつまり支点の位置を肘から肩に移し、肩の位置を固定して、腕を時計の針のような軌道で動かすとよいです。

またこれをさらに意識しやすくするためには、イラストを参考にウェイトを持つ拳を、肩ではなく、肘の方向に近づけるよう意識するとよいです。


ワンハンド・ツーハンド

背中トレにはバーベルを両手で握って行う、ツーハンド種目と、片手で行うワンハンド種目があります。

こちらはイラスト中に各メリットを書いたので是非参考にしてみて下さい。

個人的には、使用重量が伸ばしやすいバーベルを使ったトレーニングがおすすめです

バーベルは、ダンベルと比べ、軌道や可動域が毎回のトレーニングで変わりにくいので、記録もより正確になります。

とはいえ、対象の筋肉に効かなければ、そもそも意味がないので、人によってはワンハンド種目もうまく取り入れていくとよいです。


骨盤を立てる

背中のトレーニングにおいては、骨盤のポジションがとても大切になります

特に骨盤が後傾(背中の下側が丸まるイメージ)してしまうと、胸を張ることができず、その結果背中の筋肉を収縮させることが困難になってしまいます。

こちらは実際に骨盤を後ろ側に倒したまま胸を張ろうとしてみれば、その動作が困難であることが理解できると思います。

背中のトレーニングをスポーツジムなどで教わると「胸を張って」というキューイングが出されます。

これは的を射た指示だと思いますが、初心者はそもそも胸を張る感覚が分からない方もいるので、骨盤のポジションから指示したほうが良いと個人的には思います。


ここまで背中トレの主要な動きと効かせるためのコツについて書かせて頂きました。

正直上記のポイントがしっかりと抑えられていれば、フォームの観点では問題なく背中を鍛えることができると思います。

1度読むだけでは、なかなか理解することができない方もいらっしゃるかと思いますが、3回くらい読めば、おそらく初心者の方でも内容を深く理解することができると思いますので、参考にしてみて下さい。

ここからは、よりトレーニングにこだわりたいという方に向けて、ややマニアックなコツについて解説させて頂きます。

少し専門用語も増えて眠たくなってしまうかもしれませんが、僕の体感としてはここまで書いたポイントと同じくらい大切な内容になっておりますので、是非チェックしてみて下さい。

背中の鍛え分け

背中の筋肉はこちらのイラストを見て頂いても分かるように、細かくわかれているので、鍛え分けるのが難しいです。


しかしウェイトの扱い方が上達すると、例えば同じ正面からウェイトを引く動作でも、軌道や意識によって負荷を乗せる部位を変えることができます。


「大円筋・広背筋・僧帽筋」などの鍛え分けを意識しているのに、特定の筋肉ばかり発達してしまうという方、是非ここからの解説を参考にしてみて下さい。

体幹伸展を使いこなす

体幹伸展とは…上半身を後ろに仰け反らせる動き

背中の筋肉でも、特に広背筋を集中して鍛えたいという方は、この体幹伸展のテクニックを取り入れてみることがおすすめです。

広背筋にはそもそも体幹伸展の動きを出す働きがあります。

ラットプルダウンなどのトレーニングで中々広背筋を使う感覚がつかめないという方は、一度この体幹伸展の動きを意識してみると、負荷をかけやすくなるかもしれません。

おなじく正面から引く動きでも、後方に仰け反りながら引く体幹伸展を取り入れることで、広背筋に負荷がかかり、逆に胸を突き出して前方につんのめるようにしてウェイトを引くと僧帽筋を刺激する感覚がつかみやすくなる傾向にあります。

脚幅に気を付ける

背中のトレーニングでは、脚幅も細かい鍛え分けにおいて重要な要素の一つになります

大きく分けると、脚幅と負荷のかかりやすい箇所の関係は以下のようになると考えております。

脚幅が狭い→引く動作中に上半身が動かしにくく、負荷が大円筋や僧帽筋に入りやすい。

脚幅が広い→引く動作中に上半身が動かしやすく、広背筋に負荷をかけやすい

脚幅によって重りを支える股関節周辺の筋肉が変わり、その結果上半身の動きがある程度決まります。

こちらは、立位の種目だけでなく、座位の種目でも上記の関係が当てはまります。

普段なんとなく脚幅を決めていた方は、意識してみるとトレーニングスキルが上がるかもしれません。

握り方を使い分ける

背中のトレーニングにおいては握り方もかなり重要になります。

手はウェイトと体の唯一の接点ですので、握り方が動作に与える影響は必然的に大きくなります

以下のテクニックは個人的にかなり即効性があると考えているので、イラストを参考に是非試していただきたいです。

バーを指先で握る

→肘関節主導の動きになりやすく、肩甲骨が動かしにくくなります。

その結果、広背筋に負荷が乗りにくく、大円筋に負荷が乗りやすくなります。

手のひらで握る

→手とバーが固定されるので、手首や肘関節に負荷が逃げにくくなり、背中の筋肉が使いやすくなります。

その結果肩甲骨のポジションがコントロールできるようになり、肩甲骨の位置を下げることで広背筋に負荷が乗りやすくなります。

(手のひらで握る場合は拳をバーに巻き付け深く握るように意識すると感覚がつかみやすいです)

肩甲骨のポジションを考える

こちらはイラストを見て頂くとわかりやすいですが、イラストの左側のように肩甲骨が下制(下に落とす動き)できていると背中の下の方まで、負荷を乗せることができます

逆に右側のように、肩甲骨のポジションが上がり、肩がすくんでしまうと背中の上部に負荷が乗りやすいです。

背中のトレーニングを頑張っているのになぜか広がりのある背中が作れないという方は、肩甲骨のコントロールがうまくできていないため、大円筋や広背筋などの目的の筋肉にしっかりと負荷が乗っていないという事が多いです。

握り方や肩をすくませない意識に加え、毎回のトレーニングで肩甲骨のポジションを意識することで、背中の鍛え分けのスキルが上達すると思いますので、是非実践してみて下さい。

まとめ

ここまで、背中のトレーニングについて様々なノウハウやテクニックをご紹介させていただきましたが。

これはあくまで僕が教科書や実践、セミナーなどで学んできた情報になります。

教科書やセミナーなどで学べるノウハウは比較的再現性が高いものの、そもそも人間の体には細かな個人差がありますので、ここで紹介したテクニックがすべての方に当てはまるわけではありません。

これはトレーナー歴14年、信頼も実績もある大ベテランの先輩トレーナーが仰っていたことですが「的確なフォーム指導をしても対象の筋肉に効かせられない人もいれば、めちゃくちゃなフォームでもばっちり効かせられる人もいる」そうです。

僕の肌感覚としてもこの発言はとても腑に落ちており、万人に最適なフォームは存在しないと考えております。

ですので、この記事を最後まで読んでくださった方々には、是非紹介したノウハウを試していただきたいですが、全てを鵜呑みにはせず、うまく活用してご自身のフォームを研究に活かして頂けると嬉しいです。

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内記 渓人
内記 渓人

パーソナルトレーナー兼イラストレーター。SNSでは「体づくりをイラスト解説」をテーマに発信し、約1.7万人のフォロワーから支持を集めております。

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